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日南設計の柘植氏の事務所が日経アーキテクチュアに掲載されました。私には専門的な話で難しい。亜鉛のメッキのどぶつけという。鋼板を仕上げ材だけでなく耐久壁として使った住宅兼事務所である。木の生地をいかしたものを『木なり』と言うところから、メッキの独特の素材を生かしたものとして『鉄骨のきなり』と柘植氏は話す。
以下、柘植氏の話と写真を参考にしてください。
また、『塀に囲われた家』は交通量の多い場所でのくつろげる空間を作ること、二匹の愛犬との快適な生活を送ることを念頭に置いた住宅の完成です。
完成写真を参考にしてください。 |
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■きなり
綿織物などで、さらしてない布を「きなり」と言ってその素朴で自然な風合から多くの人に愛されているテキスタイルのひとつです。建築でも古民家等昔の木造建築は木の生地を生かした建物で、まさに「きなり(木なり)」の建物とでも呼べそうです。現代、RC建築でも安藤忠雄氏の一連の作品に代表される様なコンクリート打放し仕上の建築はRCの「きなり」建築では
ないかと思います。 |
では、鉄骨はと思うとき、その耐候性の問題等から、生地を生かした使い方は、なかなか難しそうです。コールテン鋼を使うと言う方法も有りますが、錆び汁の処理などで、考えさせられてしまいます。その点土木構造物などに良く使われている溶融亜鉛メッキ(ドブヅケ)は鉄そのものの素材感ではありませんが、厚みの有るメッキが独特の素材感を持っていて、「火」で造られているテクスチャーをよく現しています。まさに鉄骨建築の「きなり」と呼べるものではないかと考えます。「ドブヅケ」は通常のメッキ鋼板等では出せない、高い耐候性と共に、マッシブな素材感をも感じさせます。
この建築を計画するにあたり、ひとつのテーマとしたのは、この「きなり」です。外部を堅牢なRCと鉄骨の「きなり」で覆い、内部に柔らかな質感の木の「きなり」空間を作ってみました。生物が皆そうであるように、外皮を環境に耐えうる強いものとし、内部に包込む柔らかさをもつ、生物の「きなり」の基本のとおりの建築を考えました。
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■ドブヅケの家
自分の事務所なので、普段からやってみたいと思いつつリスクの高さに尻込していたことをいろいろ試してみました。まず、構造は1階RC造、2階鉄骨造とし、既設の木造と合せ現在使われている代表的な構造を混在させました。又、屋根も既設勾配屋根、増設陸屋根と形態も混在させました。それらが全体として、まとまるよう既設との接続部分を低めの1階建てとし、3m程の空間を作りました。それによって、中間部にパティオのような空間がを作ることかできました。2階鉄骨部の外壁は耐久性については定評があるものの、精度や歪み、仕上りの不均質さに問題のある溶融亜鉛メッキ(ドブヅケ)鋼材を使い、その可能性を試してみました。
ドブヅケはメッキ時の熱の為、大きく変形する可能性があるので、その変形を押えるため、パネルは厚さ6mmの鋼板とし各パネルに2本ずつのH形鋼を溶接しました。そのH形鋼を柱とし、パネルをブレースとみたてて構造を計画しました。桁行方向は、ブレース構造となるので、大梁は設けず、ツナギ梁としてH形鋼を横使いで取付け、交差部のフランジに直接4本のボルトで接合しました。横向きのH形鋼は内壁の木軸を受ける材として有効となりました。鋼材は水が廻っても問題ないよう全てドブヅケとしました。
外部は一応コーキングを施しましたが万一内側の水が廻っても、処理できるよう鋼板をRC躯体より外側へ取付け下部に隙間を設けました。その隙間は、イーブスベンツと言うプラスチック製の段ボールのような換気材でふさぎました。 外周壁は鋼板との間に柱分の中空部を設け、合板に透湿防水シートを取付けたうえに木軸を建て断熱材としてジェットファイバーを吹込みました。中空部は気流が流れるよう笠木部分にもイーブスベンツを取付けました。又、笠木は外部からは全く見えないよう、内側で処理しました。それになよって、鋼板がただ立ち上がっているだけのようなシンプルな外観とし、ドフヅケ鋼板を強調した外観とすることができました。
壁内に半屋外的中空部ができましたので、換気扇をその中間部に排気させることで外部に換気扇カバーを出さないようにしました。それのより、外壁をシンプルなままとし、風の強い日の逆流も無くなります。 鋼板部分の開口はパネルをまたいで取付けたアルミサッシ、パネル中間部に取付けたアルミサッシ、パネルを切欠きアングルをつけて枠としたものの3種類の開口部を試しました。又、アルミは亜鉛よりイオン化傾向が高いのでフッ素焼付けとしました。
庇は、RC、網入りガラス、ポリカボーネイト、鋼板の4種類を試みました。RC庇はRCスラブと一体に見え、スラブを薄く見せるため、下端合せとしました。先端がすっきりと見えるよう下端に水切目地を設けず、上端に排水溝をつけました。網入りガラス庇は、両端にRC壁を設置しドブヅケ鋼材を枠としその上に設置しました。樋はアングルを取付け枠と同時にドブヅケしました。ポリカ庇は吊り構造の鋼材に取付けました。先端のH形鋼を横向きとし軒樋として使用しました。ドブヅケなので水勾配はつけずに設置しました。ポリカ庇の壁取合は水切を設けず、隙間を開けただけとして、壁を伝わる雨水がどの程度支障があるのか検証する事としました。ただ開口部は上部にアングルをつけ小庇としました。鋼板の庇は当初外壁の鋼板を折曲げただけで作ろうと思いましたが、メッキに出す際乱暴に扱われて曲ったり、熱で歪んでもドブヅケでは修正ができないとのファブリケーターの助言でアングルを取付けた上ボルト接合に変更しました。
階段は蹴込のないものを試したかったのですが、比較のため左右で蹴込有る無し両方に分けてみました。今のところ1/3の方が蹴込無しでもいいかなと言っています。2/3は有ったほうがいいと感じているようです。 RC部は既設木造と接続し、子供室として使用します。この部分の断熱は昨年10月発売の次世代断熱材旭化成ネオマフォームを打ち込みで使用しました。メーカーではRC打ち込みは実証されていないとの事だったので、材料を提供してもらい実験的に使用しました。内装は子供室と言うことで、無垢の木を壁天井に使用しました。床はまだ評価の定まっていないものの肌触りのよい桐フローリングとしました。2階間仕切はシナランバーコア厚さ24mmをそのまま間仕切で使用しました。両面はきれいでないと聞いていましたので片面にが倉庫物入となり、化粧面が居室に面するよう計画しました。又、裏面のでる便所は紙クロス張りとしましたが、裏面でも結構きれいでした。4寸×8寸の真物が使えるよう天井高は2430とし、上下でしっかり固定できるように25×25の木材を廻り縁と巾木に使用しました。天井もしっかり固定できるようシナ合板厚さ9mmを使用しました。シナの色違いが客間で大きかったので、客間はOP拭取りCL、事務所はCL仕上としました。(設計では逆。)
事務所は布を取付け天井高のシュミレーションを行うためCH3600として、壁上部と天井を境目の無い白色塗装としました。そのことで、事務所の天井は実物以上に高さを感じるようになりました。普段から音のうるささと、存在の大きさに悩まされていたコンピューターを何とか処理することも今回の大きな目的でした。うるさいコンピューターと言えども、近くになければ役に立ちませんので、家具の箱の中に入れてしまうことにしました。邪魔なモニターも台車をつけて床に転がし、ガラスの机越しにモニターを覗込むことにしました。これによって机の上の広い空間を開放することができました。
又、コンピューターに使われるのでなく、便利な道具として使うと言うスタンスにはっきり立てたと思います。又、もう一つのうるさくて邪魔なプロッターもLAN接続で、倉庫の中に入れ込みましたが、ぎりぎりに作りましたので、引越してから知った15cmも大きくなった新型を入れることがどうもむづかしい様です。今度故障したら部品製造中止で修理できないと言われた今のプロッターがいつまで使えるのか、新型で小さい機種がでるのかが心配の種になりました。
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